読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

おきがるみがる

お気軽&身軽に生活・仕事・趣味を楽しむ雑記ブログです。一応スナップ写真がメインです。

家族を介護することになった職業・介護士が思ったこと

f:id:shimehitsu14:20170213005640j:plain

歩いていると、電線にとまっていた鳥たちが一斉に羽ばたきまして、それをすかさずパシャリと撮りました。

ただ、ちょっと羽ばたき具合が中途半端で、且つもうちょっとアップで撮れればって写真です。

GRはズームができないので、こういうシーンはかなり苦手ですね〜。


さて、今日はお気軽な感じではない話題でございます。

ここ1週間ぐらいで一緒に住んでいる祖父の状態が急激に悪くなり、ベッドに寝たきりになりました。

そして僕は介護士の仕事を4年ほどやっており、数多の利用者の介護をやってきましたが、家族の介護をするのは初めてです。

職業として介護士をやっている身分として、家族を介護することについて感じた思いを書いてみようと思います。

後半に進むにつれてヘビーな感じになっていきますのでご注意あれ。

要介護者の情報

この記事で書いていることをイメージしやすく、ざっくりとですが、要介護者の情報を説明しておきます。

既往歴

僕との関係は祖父で今年90歳になります。体重は53kgで痩せ型です。

10年程前に脳梗塞を患い、生活への影響は僅かでしたが後遺症が残りました。その入院時に前立腺がんが見つかったものの、幸いにも早期発見できたので予後はそこまで悪くありませんでした。

要介護1の認定が出て、歩行に若干の不安があるため、室内に手すりを取り付け、外出時は杖を使うようになりました。

ADLの変化

ADL(日常生活動作)とは、排泄や食事、歩行などの日常生活で最も基本的な動作を遂行できる能力を指します。福祉業界ではよく使われる専門用語です。

脳梗塞以降のADLの変化を辿りますと、脳梗塞の後遺症は軽く、排泄や入浴、炊事・洗濯・掃除もすべて自立しており、外出も1人で可能でした。

しかし、去年の夏頃から容態が悪くなり、入浴の自立が困難になってきました。これはがんの影響で、薬が効きにくくなってきていたのです。そこで在宅医療と訪問看護を導入し、たまに入浴介助をしてもらっていました。

今年の2月に入ってから突如トイレ前で転倒し、介助があっても歩行がかなり厳しい状態になりました。怪我をしたわけではなく、病状から膝に痛みが生じて、屈曲が困難な状態です。

ケアマネと相談し、介護ベットを導入し(それまで布団だった)、ベッド上での寝たきり生活になりました。排泄や更衣介助が必要となりオムツを着用し、体位変換や起居動作は自力では困難で痛みが伴う状態です。

家族構成

同居家族は当人から見て、妻・息子・嫁・孫女・孫男です。僕は孫男に相当します。

近くに娘も住んでおり、その娘と配偶者はケアマネ事業所を経営しており、ケアマネはそこに配属されている者です。まぁ、細かいことは気にしないでください。ちなみに僕の職場とは別です。

同居人で介護の担い手は息子・嫁・孫男(僕)であり、嫁は専業主婦で1日中家にいるが、息子と孫男は不定休の仕事をしており、夜勤もあります。

孫男(僕)は介護経験がありますが(と言うかプロ)、息子と嫁は介護経験がありません。

妻は軽度の認知症の疑いがあり介護は不可能。孫女は障害者福祉施設で働いているものの、高齢者福祉は無知識で、身体介護には非協力的です。

介護士が感じる家族介護

僕は介護士の仕事を始めた当初から、「利用者は他人だからと割り切って介護することができるが、身内に対して同じような気持ちでできるだろうか」と思っていました。

結論から言いますと余裕で介護できました。僕が関わったのは排泄や更衣の介助ぐらいですが、家族だろうと他人だろうと変わりませんね。むしろ介護保険の制約や利用者家族の意向などを汲み取らないぶん楽でした。

これがバリバリの認知症で手を付けられないとか、そういう難しい状況なら話は別かもしれませんが、少なくとも本人の頭がクリアーな状況での身体介護は、職業介護士の経験が活きてきます。

介護意欲と介護技術の両方が必要

いくらお世話になった親と言えども、キツイ・汚いの介護をするのは心身共に重労働で、介護意欲が少ない人も多いです。

僕の両親は共にかなり介護意欲がありました。ベッドで寝たきりになってからも、食料などの日常で必要な物資や、介護用品などを準備し、排泄や更衣の介助、食事の用意なども献身的に行いました。

しかし、数日でかなりモチベーションは下がっていました。その主な原因がオムツ交換がうまくできなかったことと、介護で腰痛を感じたことです。

このことから、介護意欲がいくらあっても、介護技術が十分でなければダメだということがわかりました。

介護の知識が必ず役に立つ

両親は50年以上生きてきて、高齢者の介護を初めて経験しました。年をとってから新しいことを始めるというのは容易いことではなく、その出だしが失敗経験というのはかなりガッカリしたことでしょう。

僕は介護の仕事を4年やってきましたし、オムツ内での排便程度であれば、準備と片付けも含めて20分程度で終わらせる自信がありますし、ボディメカニクスを使った腰痛予防もマスターしています。

すると介護をする側はもちろん、介護をされる側もすごく負担が減るんですね。介護は正しい知識を身に着け、少しコツさえ覚えればとても簡単で楽なものです。

しかし、いつか親が介護を必要とする日が来るのが当たり前なはずなのに、多くの人は介護に無関心ですよね。介護を迫られてからようやくその重要性に気付くのです。

この記事を読まれた方はオムツ交換のやり方は少しだけでも頭に入れておくといいでしょう。特にボディメカニクスは介護のみならず、日常生活のあらゆるシーンで腰痛予防の役に立つので知っておいて損はないですよ。

祖父は永い眠りにつきました

この記事を書いている途中、祖父は静かに息を引き取りました。

思えばトイレで転倒し、ベッドに寝たきり状態になったところから既にターミナル期に入っていたようです。

長く保たないとは思っていましたが、思っていたよりもかなり早いご臨終でした。

家族は死に対する動揺と、介護からの解放という2つの思いが入り交ざった状態に見受けました。どうあれ、身も心もバタバタした状態です。

そんな状況下でも不謹慎ながら僕はブログを書いているんですけどね。

看取りの感想

幸いにも同居家族全員で看取ることができました。危篤と聞いて僕が部屋を訪れると、顎で呼吸するようになり(死が近い兆候)、虚ろな目をしていました。

本当に死ぬ直前は脳内麻薬が分泌されて苦しさは小さいそうです。ただ、これから自分が死ぬことを悟ることは、とてつもない恐怖だと思います。

見ることも、聞くことも、喋ることも、感じることも、考えることも、そして伝えることも、何もかもできなくなり、もう二度と戻らないのですから。

呼吸と心肺が止まり、主治医が死亡診断を行い、看護師と全身清拭をし、葬儀屋さんが遺体の寝具を整えてドライアイスで保冷しました。

その時の祖父は安らかな顔で眠っており、すべての苦痛や負担から解放されたかの様にとても楽そうでした。「永い眠り」とはよく言ったもので、「死ぬ」ではなく、「目覚めることのない眠り」という感じでした。

人生を最後まで走り抜いた者に与えられる安息でしょう。ただ、それは落ち着いた環境下で周りの人から看取ってもらった結果だと思います。だから事故死や孤独死は怖いなって改めて思いましたね。

おわりに

今回はとてもヘビーな内容になってしまいましたが、誰しもが体験することであり、いつ当事者になるかわからない問題なので、このように記事にしてみました。

僕が学生の頃に母方の祖父を亡くしているので、身近な人が死ぬことは既に経験してはいるのですが、当時はまだ学生でとにかく悲しかっただけでしたし、くも膜下出血による急死だったので介護の問題も伴いませんでした。

しかし今回は、人の死を目の当たりにする介護士という身分で、家族での介護も必要だったことから、考えたり学ぶことがたくさんありました。

「90年もの長い人生、本当にお疲れ様でした」と、これから旅立つ祖父に祈ります。