おきがるみがる

お気軽&身軽にスナップ写真を楽しむ雑記ブログです。はてなブログテーマ Sentenceの配布も行っております。

『森山大道 路上スナップのススメ』から学ぶ撮影の心得

商店街の中にあるスーパーの入り口。外に商品を詰めるスペースがあるんですね。

RICOH GRのハイダイナミックレンジ白黒というエフェクトを使って撮っています。

このエフェクトを使うと簡単に森山大道チックな写真が撮れると好評です。本人は苦笑いしそうですが。


森山大道氏と言えば、日本におけるスナップ写真のカリスマ的存在です。

僕は写真家をあまり知らないのですが、森山大道氏はRICOH GRの代表的愛用者ということで知りました(現在はニコンのクールピクスを使っているそうですが)

氏のスナップ写真は「ブレ、ボケ、アレ」と形容され、特にモノクロ写真は強烈なインパクトを与えられます。

そして何より、写真撮影に対してかなりストイックなのです。氏のスピリットは達人を通り越して変人かのような印象を持ってしまいます。

森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)

森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)

光文社新書から出ている『森山大道 路上スナップのススメ』では、森山大道氏が写真を撮りながらスナップ写真について語った様子を同行者の仲本剛氏によって記されています。

本の中には撮影における心得や考え方がたくさん書かれています。これらはスナップ写真ではもちろんのこと、あらゆる撮影において使える知恵でもあります。

今回は本の中から撮影の心得を一部抜粋して、これらに対して僕の意見を書いていこうと思います。

森山大道氏が語るスナップ写真の心得

1冊の新書の中から「これは目からウロコだ!」と思った森山大道氏の言葉をピックアップし、その補足と僕の意見を書いていきます。

全部取り上げていてはキリがありませんし、何より出版社から怒られそうです。そこで「これは大事ね〜」と思ったところを6つ厳選しました。

量のない質はありえない

「何が大事かと聞かれたら、僕は必ずこう答えてきた。『とにかく表へ出ろ』と。そして、『歩け、とにかく歩け。それから、中途半端なコンセプトなどいったん捨てて、何でもかんでも、そのとき気になったものを、躊躇なくすべて撮れ』と」

「量のない質はありえない」というのが森山氏の持論なのですがこれは確かですね。とにかくカメラを持って外に出て、街中をよく見渡して気になったものを片っ端から撮りまくりましょう。

何故なら「これはシャッターチャンス!」と狙って撮った写真であっても一定数ボツ写真が生まれます。逆に何となく撮った写真が意外と良かったりということもよくあります。

言い換えれば撮れば撮るだけナイスな写真の割合も増えるということ。とにかく撮らなければ始まりません。

スナップ写真とは日常の中の異界を見つけて撮ること

「ほとんどの人は日常しか撮ってないでしょう。つまり、基本的に異界に入り込んでいない。でも、街はいたるところが異界だからさ。街をスナップするってことは、その異界を撮るっていうことなんだよ。

スナップ写真は日常を切り取る撮影技法ですが、多くの人がこれを深く理解せずにただの日常を撮ってしまっています。僕もですがね。

スナップ写真の醍醐味は日常の中に潜む異界、すなわち非日常をフレームに収めることです。その為には観察と気付きの力、そしてチャンスに恵まれなければなりません。

たとえ同じ場所であっても日によって異界が紛れ込んでいるかもしれません。異界を見つける為にはやはり積極的に撮影に出かけることですね。

商店街はシャッターチャンスの宝庫!

商店街というのは、あらゆるものが混在する場所。さまざまな物が撮れるし、人間も撮れる。スナップワークのレッスンに、これほど格好の場所はないんだよ。

商店街の撮影ってとてもおもしろいです。あらゆる人や物が混在する場所で、360°常に風景が変わり続けます。まさにシャッターチャンスの宝庫です。

僕は京阪特急が停まる駅で下りてその付近でスナップ撮影をするという企画をやっている真っ最中ですが、駅の近くに商店街があったらそこをメインの撮影スポットにしています。

森山氏によると商店街での撮影はスナップ撮影のみならず、様々な撮影の良い訓練になるそうです。撮影場所を探している人は近くの商店街に足を運んで写真を撮って、ついでに買い物して地域に貢献しましょう。

コンデジでスナップ写真は最高にお気軽!

「やっぱりね、一眼レフや大型カメラを持つと、頭で考えちゃうだろ。構図を気にするとか。その点、コンパクトカメラは考えなくても撮れる。それに、サイズは小さくても意外によく写るしね。

(中略)

そもそも重い物を持ったり、カメラ何台も持つことが好きではなかったから。小さくて軽くてよく写るなら、そんなコンビニエントなことはないわけで。

その点、デジタルカメラは、こと撮影に関してだけ言えば、限りなくコンビニエントだね」

僕がこのブログで提言している「お気軽&身軽にスナップ写真を楽しむ」というのは、実は森山氏にインスパイアと言っても過言ではありません。

元々「重たいデジイチよりもコンデジの方が使いやすいな……」と思っていたところに森山氏のこの考えですよ。背中を押された勢いでカメラのナニワにフルサイズ機を売っ払っちゃいました。

コンデジでスナップ。これ程お気軽&身軽な撮影スタイルはありませんよ。

世はデジタルだからフィルムは諦めよ

「印画紙も、フィルム自体もだんだんなくなってきてるしね。もう無理だよ。僕はデジタルでやったほうがいいって思ってる。

(中略)

状況が変わればやり方を変えるのは当たり前のこと。そのときグズグズ言ってたってしょうがないんだから。去る者は追わず、来る者は拒まず、だよ」

最近ブログやSNSを見ているとフィルムカメラを手にする人が増えているように思います。やっぱりアナログな質感って代え難いものがありますよね。

ただ、それでもフィルムでの活動はしにくくなってきています。お金も時間もかかりますから、やはりデジタルに淘汰されていくのでしょう。

森山氏はフィルムに対して未練は無いようですし、ましてやデジタルに傾倒しているわけではありません。ただ状況に合わせてやり方を変えているだけ。何かに固執してばかりでは良い写真は撮れませんね。

移動手段を変えれば視点が変わる

「(前略)もちろん、路上スナップの原則は歩いて撮るっていうことなんだけれど。でも、たとえば走行するオートバイからしか見えてこないものっていうのがあると思う。それを撮るには、やっぱりオートバイに乗らなければダメなんだよ」

たとえ同じ場所でも歩いているのかオートバイなのかで視点が変わります。他にもクルマや自転車、バスや電車もありますね。

そうやって移動手段を変えるだけで視点が変わるのはとてもお得ではないでしょうか。無論、クルマやオートバイは免許が無ければいけませんが……。

でも視点を変えるのは移動手段だけではないと思うんですよ。例えば海を撮るにしても海水浴に来た人の視点と釣り人の視点は全然違うでしょう。

「コンセプトは捨てろ」と早々に切り捨てられているのですが、自分の立場をわざとズラしてみると違う写真が撮れるのではないかと思います。

『森山大道 路上スナップのススメ』は紙媒体で買うことをおすすめします

いかがでしたでしょうか。取り上げたのはほんの一部なので、実際に本を手に取って頂くとさらに深く森山大道ワールドを感じることができるかと思います。

『森山大道 路上スナップのススメ』はKindleで電子書籍化されておりますが、紙媒体で買うことをおすすめします。僕は電子書籍肯定派でして、Kindleで買って読みはしたものの、書店で紙媒体の方を買い直しました。

何故なら森山大道氏撮り下ろしの写真が挿入されているからです。液晶画面では写真を楽しめないというわけではなく、写真があるが故に文章の部分も画像データになって非常に読みづらいのです。

電子書籍で雑誌やムック本を読んだことがある方は何となくわかるでしょう。電子書籍大好きな人もなるべく紙媒体で読むことを強くおすすめします。

聖書の如く枕元に置いて毎晩寝る前に読むとか良いかもですよw

森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)

森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)